VitaNova 7th/ Okinawa

Vita Nova
guest vocalists
Hatakeyama Mao Hoshino Noriko
Okuwaki Izumi Kikuchi Kaorine (they also known as Aura.)
1.AsadoyaYunta -安里屋ユンタ- vo. H N, K K, O I
2.WakunuItokashini -わくぬ糸枷に- vo. K K
3.Uyubaranuto Miiba -及ばらぬとみいば- vo. H N
4.Iminumani -夢の間に- vo. H M, H N, O I
5.Shirashihai -白瀬川- vo. O I
6.ThukinuKaisyaToukaMika -月ぬ美しゃ十日三日- vo. H M, H N, K K, O I
7.Kuikusa -恋草 - vo. H M
8.ThinsagunuHana -てぃんさぐぬ花- vo. H M, K K, O I
...and more
track1; Yaeyama FolkSong 6,8 ; Okinawa FolkSong
2,3,4,5,7 lyrics : Ryuka
produce,arrangement,compose(2,3,4,5,7),mix : Yoshino Yuji
recorded at Studio Ram
mastered by Kamada Takehiko (foxyroom)
design : Saito Mchiyo
guest vocalists

Hatakeyama Mao


Okuwaki Izumi
Hoshino Noriko

Kikuchi Kaorine

harp ; Henmi Mihoko
VitaNova 7th Okinawa Lyrics
●このアルバムの歌詞について
民謡の安里屋ゆんた、月ぬ美しゃ、てぃんさぐぬ花の三曲以外は歌詞として琉歌を使用しています。
琉歌とは、中国から入ってきた唐歌に対し奈良朝の貴族が大和の歌を和歌と称し区別したのと同様に
大和の和歌が琉球に入ってきた為、琉球の歌を琉歌と称したという事で、男女や社会階層を問わず
多くの人が詠み、それらの多くは旋律にのせて歌われていたようです。
(ここに載せた歌詞の中にも民謡として現在も歌われているものがあります。)
各曲の琉歌は、楽曲制作の際に選んで組み合わせたもので、こういう形で編纂されたものではありません。
興味のある方は、ぜひ「南島の叙情-琉歌-」外間守善著を読んでみてください。
1○1 安里屋ユンタ 八重山民謡
1.さぁ 安里屋ぬ くやまによ あん美らさ 生りばしよ
さぁ 幼しゃから 美り 生りばし 小さから 白さ 産でぃばし
安里屋のくやまに 美しく生まれた
小さい頃から美しく 色が白く生まれた
3.さぁ 八折屏風ぬ なかなんが 絵描き屏風ぬ 内なんが
さぁ 腕やらし 寝びどぅしょうる 股やらし ゆくいどぅしょうる
八折屏風の中で 絵画屏風の内で
腕を組んで寝むった 足をからめてやすんだ。
5.さぁ 男な子ん くみどぅしょうる 女な子ん 作りどぅしょうる
さぁ 男な子や 島持ち生りばし 女な子や 家持ち生りばし
男の子を宿らせるように 女の子ができるように
男の子は島の統治者のように生まれ
女の子は良妻賢母に生まれるように
○2 わくの糸枷に
1.わくの糸かせに くり返し返し かけて面影の あさて立ちゆさ
(読人しらず)
わくに繰り返し 糸を巻きつけていると 恋しい人の面影がちらついて
思慕の情が増すばかり
2.別て面影の 立たばぬきめしやうれ なれし匂 袖に うつちあもの (読人しらず)
別れてから面影がたったら 着物の袖に手を通してください
慣れ親しんだ私の薫りを 袖に移してあるから
3.真白苧よさるち はたえん布織らば あかぬ色染めれ かなし里前
(読人しらず)
真白な美しい芭蕉糸を さらして上等の布を織ったら
いつまでも醒めない色に染めてください 愛しい人よ
4.かせかけて伽や ならぬものさらめ くり返し返し 思どまさる
(読人しらず)
繰り返し繰り返し かせを掛けながら 思慕の情は 増すばかりです。
○3 及ばらぬとみいば
1.及ばらぬとめば 思い増す鏡 影やちやうもうつち 拝みぼしやの
(よしや思鶴)
かなわぬ恋だとおもうと 思いは増すばかり
せめてあの方の 面影だけでも 鏡に映して
2.風ままにめぐる 風車心 わがままになさな 里がお肝
(よしや思鶴)
風の吹くままに 風車は回ってる
あの方の心も 私の心のままにしたい
3. おぞて取て投げる とがもないぬ枕 里が面影や 夢にしちゆて
(よしや思鶴)
恋人の面影を夢に見て さめてから夢だったと くやしくなり
罪もない枕を投げてしまった
4.流れゆる水に 桜花うけて 色きよらさあてど すくて見ちやる
(よしや思鶴)
清らかな流れに 桜の花を浮かべてみて あまりにも
美しかったので すくって(救うとかけてる)みた。
●よしや思鶴は、若くして仲島遊郭に売られ、18歳で夭折した不遇の歌人
○4 夢の間に
1.ままならぬ恋路 深くふみ迷て 物よ思尽くす かたもないらぬ (宜野湾王子朝祥)
ままならない恋に深く迷い込んで 物思いする思案もつきはてた。
2.夢の間に忍ぶ 手枕の匂い おぞて後までも 袖に残て
(上江洲由具)
夢をみている間忍んで恋人に逢い 手枕を香りに移したが
覚めてもその香りが残ってる様だ
3.降る雨にたよて 笠に顔隠ち 忍で行く心 よそや 知らぬ
(読人しらず)
降る雨を盾に笠に顔を隠し 忍んで恋する心は誰も知らないだろう
4.あけやうこれきやしゆが 思切りやらぬ
引さかれて行きゆさ 我身の肝や (読人しらず)
ああ、どうしようか 思い切ることがでず
私の心はあの人に引きつけられて行く
◯5 白瀬川
1.白瀬川に 流れゆる桜 すくて思里に ぬきやりはけら
(読人しらず)
白瀬川に流れている桜の花をすくっていとしいあの方の
首飾りの花の輪を作ってあげよう
2.別れても互に ご縁あてからや 糸に貫く花の 散りて退きゆめ
(平敷屋朝敏)
別れても互いに縁があるからには、糸に貫いた花が散りさることが
無いように結びついていますよ
サビ1
またいつが添ゆら しらぬ手枕に うらめしや急ぐ とりの初声
(読人しらず)
又いつ添い寝ができるかわからないと思いつつ 手枕をかわしている
なのに、せかせるように鳴く鶏の初声は恨めしい
3.そめてそめゆらば 浅地わないむばだう 烏若羽の ごとに染めれ
(読人しらず)
染めてくださるなら浅染めはいやです 烏の若羽のように
深々とそめてください
4.わが心尽ち 朝夕染めなちやる 紺染の糸も さめて行きゆさ
(盛島親雲上)
心をつくして、朝な夕なに染めなした 紺染めの糸も
いつしらずさめていくのは残念だ
サビ2
たのむ夜やふけて おとづれもないらぬ 一人山の端の 月に向かて
(よしや思鶴)
心待ちにしてる夜は更けていくのに 来るはずの人は
訪れる様子がない 一人山の端の月に向かって侘しいことだ
5.拝まねばのよで この哀れしやべが 振合ちやる縁ど にや恨めゆる
(読人しらず)
お目にかからなかったら、なんでこんな悲しい思いをしましょうか
思いもかけずお逢いした縁が、今はかえって恨めしく思われます。
◯6 月ぬ美しゃ 沖縄民謡
1.月ぬ美しゃ十日三日 女童美しゃ十七つ
月が美しいのは十三夜 娘が美しいのは17歳
2.東から上りおる大月ぬ夜 沖縄ん八重山ん照ぃらしょうり
東から上がっておいでになる満月の夜
沖縄本島も八重山もお照らしください
3.あんだぎなーぬ月ぬ夜 我がげら遊びょうら
あれほど(美しい)月の夜 我々皆遊びましょう
4.寺ぬ大札んが 絹花黄金花 咲かりょうり
寺の大札に 美しい立派な花、大切な花を咲かせてください
5.女童家ぬ門なんが 花染手布ば取り落し
うり取る彼り取る なつきばし 女童家ゆ見舞いす
娘の家の門に花染め手ぬぐいを取り落として
それを取りあれを取るのを口実にして娘の家を見に行く
◯7 恋草
1.思て自由ならぬ 人の面影の のけてのけららぬ 肝にすがて
(花城里之子)
いくら思ってもどうにもならない人の面影が
払い退けようとしても退けられず心にすがってくる
2.拝でなつかしゃや まずせめてやすが 別れて面影の
立たばきやしゆが (読人しらず)
逢えなかった寂しさはお目にかかっていくらか慰められたが
お別れしたあとあなたの面影が立ったらどうしよう
3.ねやの戸よあけて 里待ちゆる夜や 花の露待ちゆす かにがあゆら
(読人しらず)
寝屋の戸を開けて 恋人を待つ夜は 花が露を待つのも
こんなものであろうか
4.春雨の降れば 恋草やしげて 哀れ摘で呉ゆる 人もをらぬ
(真喜屋実宣)
春雨が降れば恋心がうずく 若草は茂ってくるが
誰も摘んでくれる人はいない
◯8 てぃんさぐぬ花 沖縄民謡
1.誠する人や 後や何時迄ん 思事ん叶てぃ 千代ぬ栄い
誠実に生きる人々は 後々の時代の子孫までも
願いが叶って 末長く栄えるでしょう
2.なしば何事ん なゆる事やしが なさぬ故からどぅ ならぬ定み
何事も、為せば 成ることではあるけれども 為さぬからこそ
成らぬのです
3.行ち足らん事や 一人足れい足れい 互に 補てぃどぅ 年や寄ゆる
行き届かないことは 互いに助け合って
互いに補い合ってこそ 歳をとる
4.あてぃん喜ぶな 失なてぃん泣くな 人のよしあしや 後ど知ゆる
有っても喜ぶな 失っても嘆くな 人の善し悪しは
後々にこそわかる